pgrobertのブログ

好きな音楽や美術について。ときどき脱線。

今さらながら、ペット・ショップ・ボーイズ'Hotspot'レビュー。

昨日仕事から帰ってきたらAnnuallyが届いてました。恒例のアルバム制作裏話を読んで、そういえばHotspotも発売から3ヶ月近く経つんだよな……と思い至り。今さらながら、軽くレビューです。
(以下、彼らのコメントはAnnuallyより引用。)


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ファーストシングル"Dreamland"はYears & Yearsをフィーチャリングした、いかにもペット・ショップ・ボーイズらしい曲。
"Go West"や"Somewhere"のように「約束の地」「理想郷」を求める歌*1。ベルリンの地下鉄をモチーフにしたリリックビデオも印象的。"On social media"のPVはTwitterらしく上から流れていきましたが今回は横流れ。ニールも参加していた"I Can Change"(Brandon Flowers)っぽい。
Years & Yearsの他のメンバーに「"It's Raining Men"みたいに聞こえる」って言われたみたいですが、確かに似てる。
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カップリングの"An open mind"はクリス曰くAviciiの死にインスパイアされたとのこと。「彼とチャネリングして、Aviciiへのエレジーの一種として(作って)、それがEDMっぽいリフがある理由」だそう。この裏話にもびっくり。


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そしてセカンドシングル"Burning the heather"を初めて聴いたときには
「え、まさか新しいアルバムは'Release'的な感じなの!?」
と衝撃を受けました。"Dreamland"からのギャップがすごかった。
本人たちにはそんなつもりはなかったけど、言われてみれば確かにブレグジットのことを歌ってるみたいに感じるとのこと。


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サードシングルは久々にPVがしっかり作られ、踊るクリスも復活!そのPVの雰囲気もそうなんだけどいかにもサタデーナイトフィーバー!70's80'sディスコ!って感じが物凄い。実際ニール曰く「今まで作った中で一番ダンサブル」みたいだし。
かと思えばDaft Punkっぽいヴォコーダーのパートもあったりして……彼ら曰く「誰かが(この曲を)新"Get Lucky"って呼んでた」そうですが、ただこのヴォコーダーの感じは"Get Lucky"と同じく'Random Access Memories'に収録されている"Within"っぽい。
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それにしても、ツアー中のテキサスはオースティンのホテルで出会った人の言葉がきっかけで一曲できるなんてものすごい……


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4枚目のシングルは先日リリースされたばかり、"I don't wanna"。サビのフレーズだけ取ると最近のコロナ禍の状況にすごくマッチしてる。PVはマンガ風。"Vocal"にインスパイアされた"Dancefloor"(Tracey Thorn)にインスパイアされてできた曲だとか。*2


まあそんなこんなで"Burning the heather"にミスリードされた(?)ものの、アルバムトータルで聴くとStuart三部作なだけあって'Electric'と'Super'の流れはしっかり汲んでるんだなと。でもハンザスタジオの機材のおかげか音の温かみみたいなのは増してる気がします。

で、初めてアルバムを聴いた時からずっと好きなのが"Only the dark"。アルバム用に書いた中で最初に作った曲だけど元々はアルバムに入る予定はなかったみたいで、入ってよかった。
"Footsteps"っぽさ*3も感じつつ、「むかいあわせ」っぽさも感じつつ。ニール曰く「いい意味で信じられないほど80'sで映画のサントラみたいだ」とのこと。同時にThe Carsの"Drive"(1984年)っぽいとも。これまた確かに……
何だかんだでこういうミディアムテンポの曲が一番好きになる自分なのでした。
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*1:と自分は思っていましたがニール曰く難民のことが頭にあったらしい。あと色々読み漁るとブレグジットのことを歌ってるのでは?という意見も

*2:ところで今回調べてて初めて知ったんですけど、Tracey Thornって"King's Cross"をカバーしてたんですね……

*3:暗闇の中相手を待ち続ける歌で"Only the dark"とはある意味真逆ですが。