pgrobertのブログ

好きな音楽や美術について。ときどき脱線。

クイーン「White Queen (As It Began)」を和訳。

今日3月8日は、Queenの2枚目のアルバム'QueenⅡ'の発売日(1974年)だそうです。

個人的に、'QueenⅡ'は前期Queenのアルバムで一番好きなアルバムです。
レコードのA面を「サイド・ホワイト」B面を「サイド・ブラック」として、アルバムのジャケットも表面が黒で開くと白になっているというそのコンセプチュアルな部分にまず惹かれ、さらに「サイド・ホワイト」も「サイド・ブラック」も組曲風にほぼ全曲途切れず繋がっているというアルバムの構成にも驚きました。
その中でも一番度肝を抜かれたのがまさに組曲と言うべき"The March of The Black Queen"なのですが、これに続いて好きな曲が'White Queen'です。

間奏でシタール風の音色を奏でるアコギが悲哀の情を掻き立てる抒情的な曲ですが、ブライアンがインペリアル・カレッジの学生だった頃の片想いを描いた曲だそうです。それをアルバムの世界観に合わせて(Queenを登場させて)少し幻想的な雰囲気にしてるのかな?
ロバート・グレーヴスの"The White Goddess"にインスパイアされた部分もあるそうです。

今回はそんな'White Queen'の和訳です。

youtu.be


So sad her eyes
Smiling dark eyes
So sad her eyes
As it began

とても哀しげな彼女の瞳
微笑みを湛えた暗い瞳
とても哀しげな彼女の瞳
そしてそれが始まりだった

On such a breathless night as this
Upon my brow the lightest kiss
I walked alone

こんな風に 息をするのも阻まれるような夜に
僕の眉の上に 軽い口づけ
僕は独り歩いていた

And all around the air did say
My lady soon will stir this way
In sorrow known
The white queen walks and the night grows pale
Stars of lovingness in her hair

周りの空気がさざめき僕に言う
僕の愛しい人がこの道のりをかき乱すだろうと
悲しみの中で……
白い女王が歩くと 夜の闇は薄らぎ
彼女の髪には愛情の星が瞬く

Needing - unheard
Pleading - one word
So sad my eyes
She cannot see

求めは―聞き入れられず
願いは―ただ一言
なんと哀しき僕の瞳
彼女の眼に僕は映らない

How did thee fare, what have thee seen
The mother of the willow green
I call her name

汝は如何に旅をしてきたか、何を見てきたか
緑の柳の母よ
僕は彼女の名を呼んだ

And 'neath her window have I stayed
I loved the footsteps that she made
And when she came

彼女の窓の下にずっといた
彼女が立てる足音が好きだった
そして彼女がやって来た時……

White queen how my heart did ache
And dry my lips no word would make
So still I wait

白き女王よ、僕の心はどれだけ傷んだことでしょう
渇き切った唇からは一言も言葉が出ない
だからまだ僕は待つ

My Goddess hear my darkest fear
I speak too late
It's for evermore that I wait

僕の女神よ、底知れぬ恐怖をお聞きください
もう手遅れなのでしょうか
永遠に待つ他ないのか……

Dear friend, goodbye
No tears in my eyes
So sad it ends
As it began

親愛なる友よ さようなら
もう涙も出てこない
何と悲しき終わり
そしてここからまた始まる……