pgrobertのブログ

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ポルノグラフィティ再びのTHE FIRST TAKE登場と新曲のリリース。

9月8日に、CDに先駆けて配信リリースされたポルノグラフィティの新曲「テーマソング」。先週9月15日に、再び彼らがTHE FIRST TAKEに登場して「テーマソング」を披露しました。そして今日9月22日に、円盤がリリースされました。

その新曲は、彼らとしては珍しいどストレートな応援歌。

さて、そんなわけで今回のテーマは個人的「ポルノグラフィティ応援歌10選」です。




1. ワンモアタイム

震災後初のリリースとなったこの曲。
抗いようのない現実を前に打ちのめされそうになっても、「もう一回」を信じて前を向いていこうというメッセージがコロナ禍の今にあっても、いやコロナ禍の今だからこそ、胸に響きます。
「きっと新しい明日の風が吹き背中を押してくれる」
――どんな困難な状況にあっても「明日」は必ずやってくる。そうすれば前を向ける。そんなことを気づかされる曲です。



2. 2012Spark

「2011年」を受けての「2012」ということが強調されているタイトル。
何があろうが結局自分たちの居場所は「今ここ」にしかないわけで、そんな時代であっても「自分たちのための時代」だと受け入れ立ち向かうしかないよね、ということが歌われているけど決して後ろ向きではなくむしろ前向きな歌。
そんな時代に立ち向かうのは「LITTLE SPARK」。微力でも立ち向かい抗っていく姿勢が大事なんだと教えてくれます。
PVでは行き交うトピックライトで「SPARK」を表現。クール。
そして昨年の配信ライブ「REUNION」ではワンモアタイムと2012Sparkが続けて披露されて、この順番に一人感銘を受けてました。



3. 君は100%

「完璧=最高」だと思っているのに、理想とは程遠い人生だけど、それはみんな同じなんだから諦めずに「明日」へ向かっていくのがいいんだと鼓舞してくれる曲。



4. MONSTER

昭仁曰く「自問自答を歌にした」というこの曲。
「『しょうがない』という言葉で 逃げ出すことを正当化して/甘ったれな安易な道へと 知らぬ間に誘うMONSTER」
「小手先で誤魔化しを 利かせるのも上手くなった/その場しのぎで繋いで 偽物の汗を流した」
などドキッとする言葉が並ぶこの曲。誰しも心当たりがあるであろうことを畳み掛けるあたりはさすが「自問自答」?
自分よりも他人の方が自分のことをよく分かってる=自分で自分がよく分からないというのは、モラトリアムの時期にはよくあることだと思いますが、それを全部ひっくるめて「期待外れの自分」と言ってしまうのもすごい。
とにかくそんな自分に「決着をつける」のが大事だと、しっかり向き合うことが必要だと突きつけられる曲。

直接関係はないですが「悲しきピエロの夢」というフレーズで

Oh yes, I'm the great pretender
Just laughing and gay like a clown
I seem to be what I'm not you see
I'm wearing my heart like a crown
Pretending that you're still around

という"The Great Pretender"の一節を思い出します。*1


5. ギフト

「自問自答には答えがないと気付いてたのに悩んでる自分に酔っていた」とMONSTERのアンチテーゼのような曲(リリースはこちらの方が先ですが)。
「自分を悪く言う声に耳を塞いでいたらまだ聞こえるから自分の声だった」なんて再びドキッとするような言葉が出てくるものの
「少しは自分にも期待してみたらどう?って/意外にうまく跳びだせるかも 想像よりもやれるかも/信じてみることが甘いかどうかなんてさ/自分の舌で舐めてみなけりゃ がっつり噛みつかなきゃ分かんない」
とそっと背中を押してくれるあたりはさすが。

ところで「明日に架かる橋はもろくも崩れそう」で思い出すのがサイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」。

Like a bridge over troubled water
I will lay me down

激流に架かる橋のように
僕はこの身を横たえるよ

味方になってくれたはずの人もいなくなりそう(=崩れそう)だから「自分に期待してみたらどう?」……結局最後に自分を信じられるのは自分だけだ。改めてそんなことを気付かされる曲。


6. メジャー

他人と比べてもしょうがないから、自分の持ってる価値観を大事にしよう、という歌。「ギフト」の延長線上にあるような曲。
「自分のメジャーは確かにここにあって/いつだって自己新記録を刻んではいるんだ」っていう歌詞にははっとさせられます。

「転がる石ころみたいに 跳ねては加速をしていく」
転がる石ころ=a rolling stone(複数形ならrolling stones)ですよね。「ANGRY BIRD」で「PAINT IT BLACK」のフレーズも入ってたし、意識してるところはある?*2
そして'A rolling stone gathers no moss.'「転石苔生さず」ということわざも連想します。このことわざの意味は①引っ越しや転職を繰り返す者は、財産や地位が得られないというたとえ。
②逆に、積極的に活動の場を変えていく者は常に清新でいられることのたとえ。
という二つがあります。この曲に関して言えば後者の意味を連想します。


7. Working men blues

社会人7年目ともなると本当に歌詞が沁みて沁みて仕方ない。働くすべての人への応援歌。


8. 真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ

ポルノお得意の、限られたメロディーにどれだけ言葉を乗せることができるかの極致にある曲。「ネオメロドラマティック」もけっこう詰め込んでたのにこれはさらにその上をいってるから、昭仁は何でここまで極端に自ら自分の極限に挑戦するような曲を作るんだろう……(苦笑)
「栄光も挫折も」「煌びやか/寒々しさ」「失敗と成功」「Black&White」「光と闇」と相反するものが並べられるなか、「三秒後の世界だってわかるはずもない」から「目の前の現在に向かって」いくというハイパーミクロな視点で語られるのがグッときます。


9. BLUE SKY

「バイバイ僕らの弱い少年の残骸を捨て」と歌われている通り、〝自らにある少年性との訣別〟。
その少年性を捨てて「大人」になっていく過程で、「風は完全against」=向かい風、つまり逆境であっても「冒険をはじめたのは誰でもない自分」だから「上昇気流にうまく乗っていけ」と鼓舞してくれる曲。


10.むかいあわせ

この曲だけ「優しく背中を押してくれる」という形容がぴったり。まさに「カウンセリングソング」。

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11. テーマソング

「フレーフレー この私よ そしてフレー 私みたいな人」なんて〝いかにもなフレーズ〟を晴一が書くとは思わなかったし、これだけとっても真っ直ぐな応援歌。

そしてTHE FIRST TAKEでの一発録りも、これが初披露とは思えない安定のパフォーマンスでこれからも彼らについていこう……!と思いました。



さて、今日CDが発売になりカップリングの「REUNION」「IT'S A NEW ERA」どちらも聴きましたがどちらも最高だったので、いずれレビューを書きたいと思います。

*1:ああそうさ、僕はすごい役者だ/ピエロのように笑って明るく/君が目にしている僕は僕じゃない/王冠のように心を着飾って/君がまだそばにいるかのようなふりをしてる

*2:そういえば「ジレンマ」でも「jumping jack」「Tumbling dice」と出てきてましたね。やっぱりストーンズ