pgrobertのブログ

好きな音楽や美術について。ときどき脱線。

「モネ それからの100年」展(横浜美術館)

展覧会が終わってから2週間以上も経っていて今更感も否めないのですが、備忘録的に綴ります。

というわけで「モネ それからの100年」展。
個人的には2013年の「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」ぶりの横浜美術館

セーヌ川の日没、冬」「霧の中の太陽」「チャリング・クロス橋」といった辺りはさすがのモネといった趣。特に「霧の中の太陽」は構図が「印象、日の出」そっくり。

今回の展覧会はタイトルが示す通り、モネだけではなく彼の影響を受けた画家・芸術家の作品も紹介したもの。
中でも自分が驚いたのが、リキテンスタイン「日本の橋の睡蓮」「積みわら」、ウォーホル「花」。

公式サイトにも
(展覧会について|【公式】モネ それからの100年(横浜美術館))

「モダンアートの先駆者」と称されるモネの芸術の革新性を浮き彫りにします。

と書かれてはいたのだけど、リキテンスタインが彼流の解釈を加えてモネの絵画を再提示していたとは知りませんでした。

ところで、モネが浮世絵ひいてはジャポニスムに影響を受けたというのは有名な話ですが、例えば北斎富嶽三十六景のように「同じものを視点を変えて何回も描く」というところから「睡蓮」「積みわら」「ルーアン大聖堂」といった連作が誕生しました。
この「連作」に、ウォーホルのシルクスクリーンによる一連の作品(今回展示されていた「花」など)との関連性を感じました。また「キャンベルスープ缶」もある種の連作と言えるだろうし……。ああいう「イメージの反復」(by ニール・テナント)はモネ的/印象派的なものと親和性が高いように思います。

また、モネの「睡蓮と日本の橋」は広重の「亀戸天神境内」(江戸名所図会)と構図が瓜二つというのも有名な話ですが、リキテンスタインの「日本の橋の睡蓮」はまさにそんな作品をリアレンジしたもの。

これらのことから、モネを初めとする印象派に影響を与えた浮世絵/ジャポニスムは巡り巡ってモダンアート/ポップアートに影響を与えたんだなあ……ということに思い至って鳥肌が立った、そんな展覧会でした。