The secrets of sexual attraction
性的魅力の秘密
The music’s running through me
I’m rushing through the crowd
The sweat is pouring off me
and the beat is dead loud
I want someone to love me
and I know I want it now
These feelings that I’m feeling
must be satisfied somehow
I want it, I want it, you know I really want it
I want it, I want it, you know I really want it
音楽が僕の中を流れてる
人混みの中を急いでいる
汗が流れ出てくる
そしてビートは死ぬほどうるさい
誰かに僕を愛してほしい
今それを望んでいるのがわかってる
僕が感じてるこの気持ちは
何とか満たされなければいけない
僕はそれを求めてる、本当に求めてるってわかるだろ
僕はそれを求めてる、本当に求めてるってわかるだろ
We all feel better in the dark
We all feel better in the dark
僕らはみんな暗闇の方が気分がいい
僕らはみんな暗闇の方が気分がいい
My body surges with energy
Shivers down my spine
I look deep in your eyes
and I know that you’ll be mine
And now our time has come
and I’m feeling really horny
You’re with me
and together we’re in ecstasy
僕の身体はエネルギーで満ち溢れてる
背筋がゾクゾクする
僕は君の瞳の奥まで見つめる
そして君が僕のものになるとわかってる
今、僕らの時代が来たんだ
そして僕はものすごく性的に興奮してる
君は僕とともにいる
そして一緒にエクスタシーの中にいる
We all feel better in the dark
We all feel better in the dark
僕らはみんな暗闇の方が気分がいい
僕らはみんな暗闇の方が気分がいい
The music’s running through me
I’m rushing through the crowd
The sweat is pouring off me
and the beat is dead loud
I want someone to love me
and I know I want it now
These feelings that I’m feeling
must be satisfied somehow
You want it, you want it, you know you really want it
You want it, you want it, you know you really want it
I want it, I want it, you know I really want it
音楽が僕の中を流れてる
人混みの中を急いでいる
汗が流れ出てくる
そしてビートは死ぬほどうるさい
誰かに僕を愛してほしい
今それを望んでいるのがわかってる
僕が感じてるこの気持ちは
何とか満たされなければいけない
君はそれを求めてる、本当に求めてるってわかるだろ
僕はそれを求めてる、本当に求めてるってわかるだろ
We all feel better in the dark
We all feel better in the dark
僕らはみんな暗闇の方が気分がいい
僕らはみんな暗闇の方が気分がいい
クリスがラップ調のメインボーカルをとるこの曲はPSB版の"Body Language"と呼んでも差し支えないレベルでものすごくエロティック。テーマは「レイヴに行くこと」。
最初にリリースされたときは"Being boring"のカップリングとして登場しましたが、自分が初めて聴いたのはB面コレクションの'Alternative'においてでした。
それは確か高1の頃だったと記憶しています。当時の自分は'Nightlife'、'Fundamental'、'Bilingual'などはハマったものの'Please'や'Behaviour'、'Release'にはピンと来ませんでした。それでもこれらのアルバムはトータルでピンと来ないだけで、何曲か「これいいな」と思える曲はありました。
でも'Alternative'は、初めて聴いた時に一通り聴いて「最悪だ」と思いました。
A面やアルバム曲に比べたら実験的な曲が多く、それもピンと来ないどころか「最悪」だと思った理由なのですが、「歌詞と対訳が酷い」というのももう一つ理由としてありました。
例えば、'Alternative'を最悪だと思った当時の自分が、それでも「この曲は面白いな」と思えた数少ないうちの一つが今回取り上げた"We all feel better in the dark"でした。そして歌詞が気になり歌詞カードを見てみると、最初のラップパートは
Listen to a dream
I listen to the crowd
The sweat's pouring off me
Please stand up
…
となっていて、後半のラップパートは
…
I listen to you cry
The sweat's is pouring off me
…
I won't stop loving you
This I know from the heart
This feeling's gonna fill you
Something's goes mad
となっていました。
当時高1の拙いリスニング力を持ってしても中間部以外は同じ歌詞を歌っていると分かったのに、全然歌詞が違う。どう聞いても「Please stand up」にも「Something's goes mad」にも聞こえない。というかそもそも文法的におかしい*1し、、、そう思って対訳を見ると、
夢に耳を傾けて
群衆の声を聞く
汗が流れ落ちる
どうか立ち上がって
…
そして
…
君の泣く声を聞く
汗が流れ落ちる
…
君を愛することを止められない
これは心の底から判ってる
この想いが君を満たし
何かが狂っていく
無理やり「それっぽく」訳してるけど、無理やりの辻褄合わせで単なる「ラブソング」と化して、テーマとの乖離が酷い訳になっています。
そして'Alternative'はこの「歌詞と対訳が酷い」問題がどの曲にもあって、「当時の担当者はよくこんな状態でリリースできたな!?」と怒りたくなるほどのクオリティになっています。
一例を挙げると、
・全編ヴォーカルがヴォコーダー加工されている"One of the crowd"は「(Spoken)」記載のみで歌詞・対訳なし*2
・中間部にクリスの語りやラップがある"Paninaro"と"I want a dog"は、該当部が「(Spoken adlib)」もしくは「(Adlib)」記載のみ*3
という感じになっています。
まあでも、これくらいなら「かわいい」ものです。とにかく歌詞の間違いが酷いですから!
ということで、続いて歌詞の間違いを以下に列挙していきます。まず実際の歌詞を提示して、その後「'Alternative'版の歌詞」を提示します。全部紹介するととんでもない量になるので、3曲のみ紹介。
まずは"A man could get arrested"です。
How much longer you gonna sit and talk to me?
You've got so many problems and a split personality
You want to see a doctor before our love is tested
(中略)
Of course I said I loved you not just ’cause you insisted
これが、
How much longer you're gonna sing this crap to me
You got so many problems and a screwed personality
You want to see a doctor before all is twisted
(中略)
Of course my style of do / Not just be insisting
こうなりました。特に最後が酷いですね。全然聞こえない上に「of do」と文法無視です。*4
続いて"Jack the lad"。
Underneath the blankets for another role
Tell these lies you must be mad
Are you only Jack the lad?
To feast with panthers every night
you must be careful, Jack
(中略)
Philby in the desert
looking for a phone
waiting on the pavement
for a call from home
Play with fire you must be mad
Are you only Jack the lad?
Turn your back on friends you had
They must have hurt you, Jack
今度はこうなります。
Underneath the blankets saw another world
Tell these lies you must be mad
Are you lonely Jack the lad
To feast with … every night
you must be careful, Jack
(中略)
Fill me in the desert
Looking for a phone
Waiting on the pavement
For a call from God
Play with fire you must be mad
Are you lonely Jack the lad
Turn your back on friends you had
They must of heard you, Jack
panthers、聞き取れないのか……っていうのと、saw と for って確かに音の響きは似てるような気もするけど、発音記号だと「sɔ'」と「fər;(強)fɔ'ːr」なので実は似ても似つかないのになあ……というのが第一感想。
そして砂漠に埋めさせようとするし*5*6、神様から電話来ちゃうし、「must of heard」ってまた文法ガン無視*7だし……
そして最後に、'Alternative'で自分が一番酷いと思っている"Too many people"*8をお送りします。
The husband or the hedonist
The businessman or the communist
The artist or the showbiz creep
The lover or the nervous geek
(中略)
The tactless twit putting his foot in it
or the sensitive soul who's a role model
The urban jet setter never at home
or the country recluse, just leave me alone
Extrovert or introvert
Love is kind and love hurts
Rebellion or conformity
What is my identity?
(中略)
The intellectual and bon viveur
or the naive simpleton so immature
The devoted son and family man
or the wicked uncle who doesn't give a damn
これがなんと……
The husband or wife head all this
The businessman or the communist
The artist or the show biz creep
The lover or the novice pimp
(中略)
The tap dance weak point is fooling it Or the sensitive star who's a role model
… is never at home
The country with clues just leave me alone
Extrovert or introvert
Love is kind of …*9
But bear your own informity
What is my identity
(中略)
The intellectual…
Or the naive …imager
Re vo ted son and family man*10
Or the wicked uncle who doesn't give a damn
もう絶句もの。いや、正しく聞き取れてる箇所もありますが、それを越えて聞き取れてない箇所が酷すぎる。
そもそも歌い出しで「I sometimes think that I'm too many people at once」*11と言っていて「What is my identity?」とも言っているので、この曲のテーマが自分自身のアイデンティティにまつわるものだと分かるはず。
つまり「アイデンティティ・クライシス」「アイデンティティ拡散」「自分の中の二律背反」といった辺りがテーマなのに、いきなり「夫か妻か」ってどういうことなのかと。
しかもその部分、「the hedonist」が「wife head all this」になるののも意味不明だし、その後 nervous (nə'ːrvəs)が novice (nɑ́vɪs)に聞き取られてるのはもっと不明。*12
そして「informity」「imager」と存在しない単語が生み出されるわ*13*14、突然タップダンスが出てくるわと酷さに拍車がかかっています。
……そんな訳で、"We all feel better in the dark"の和訳記事だったはずが日本盤'Alternative'の批判記事になっていました。でも"Paninaro '95"とか未だにこの間違った対訳もしくは歌詞が今もベスト盤とかの日本盤には登場するので、いい加減改めてほしいところです……
*1:「The sweat's is pouring off me」はbe動詞が被っているし、「Something's goes mad」はbe動詞と一般動詞が被っている。「I listen to you cry」は前置詞 to の後に you cry とSVが来るはずがない。
*2: 'In Depth'には正しい歌詞が掲載されているのに、データは残っていなかったのでしょうか?
*3:"I want a dog"に関しては犬種を挙げているだけなので聞き取れそうな気もするのですが……
*4:正確に言えば do には名詞としての使い方もありますが、だとしても可算名詞なので、「a do」「the do」「dos」のいずれかにならなくてはおかしいです。
*5:フィルビーが分からないにしても、脈絡がなさすぎるというのは気付きそうなものなのですが。砂漠に埋めてくれ、の後で電話探して舗道で待ってますからね。。。
*6:ちなみにこの部分の対訳は「砂漠で見つけてくれ」。いや、その訳になるなら英語は「Find me in the desert」でしょうに……
*7:must は助動詞なので後ろには動詞の原形がきて、of は前置詞なので後ろに名詞がくる。heard は hear の過去形もしくは過去分詞形なので前置詞の後にはこない。
*8:そもそも邦題「トゥ・メニー・ピープル」も英語の発音ガン無視ですよね。too は「トゥー」じゃないと。
*9:"Jack the lad"もそうでしたけど、なんで hurt が聞き取れてないんでしょう?
*10:この「Re vo ted son」が「反抗息子」と訳されているのも謎です。 revote:再投票する、の過去分詞形で「再投票された息子」が直訳なので「反抗息子」はむしろ英語をかなりねじ曲げています。
*11:ちなみに対訳だと at once は完全にスルーされているのですが、これも「同時にたくさんの人が存在するような気がする」ということで、テーマを考えたらこの「同時」はかなり重要なので at once は無視しちゃいけないはずなのに。。。。
*12:この部分、仮に 「novice pimp」だとして、「恋人か初心者のポン引きか」って一体どこが二律背反?
*13:この存在しない「imager」にあてられた対訳は「アマチュア」。なぜ?
*14:「informity」に関しては「infirmity」の誤植かなとも思いますが、だとしても「自分自身の形なさに耐えられても」という対訳はどうなのか。but に譲歩の用法はないし、 But 以降は bear という動詞で始まっているから命令文で「でも自分自身の(精神的な)弱さに耐えろ」とかいう風でないとおかしい。というか「infirmity」に「形なさ」という意味はない。