pgrobertのブログ

好きな音楽や美術について。ときどき脱線。

久保田 有貴というミュージシャンのこと。

今、自分が個人的に追いかけているミュージシャンに「久保田 有貴」さんがいます。

実は大学の先輩なのですが、学生の時彼は「メイデレ」というバンドを組んでいました。
自分の通っていた専攻は不思議なところで、専攻内でライブイベントもやっちゃうようなところでした。
そんな専攻の、自分が大学1年の時の「秋フェス」で彼らを見たのが最初。セットリストにはミスチルが多く、歌そのものもそうですが「桜井さんっぽく歌う」のがとてつもなく上手い先輩だなあ、というのがその時の印象でした。

その次の「卒フェス」で「だけど」の初披露がありました。メイデレとしては初のオリジナル曲。まだ2番もなく荒削りな状態でしたが、C&Rは既に存在していてその時から盛り上がりが凄かったのを覚えています。ラストサビ前の「なのに」には驚きました。笑


彼らの大学卒業後は「MayDayRay」と改名し、何度かベーシストは変わったものの「フェス」に出続け、「ラフストーリー」「不平コンプレイン」「テラス」といった曲が誕生していきました。それがいつの間にかソロ活動をしていたので驚きました。

初めて見たのはアンコール渋谷でのライブ。それ以来コンスタントに伺うようにしています。去年は月一ペースで行けてたのに今年は4回くらいと全然行けていないのが心残り……


さて、ここからは個人的名曲選。ミスチルに影響を受けてるだけあって比喩や韻が巧みな歌詞が多い印象があります。歌詞解釈や「あの曲みたい」といった話はあくまで個人的印象ですのであしからず。


1. 白地図(YouTubehttps://youtu.be/yAr5zL7LujE)

初めて行ったソロライブでデモCDを無料配布していたのが未だに記憶に残っています。「決意表明」ソング。
「未だ見ぬランドマークを探しに行こう」……全ての指針になるような曲。


2. アイディライト(YouTubehttps://youtu.be/nPSIY8AEoAE)

初めて歌詞をブログで見た時、ガツンとやられた曲。「言い訳の語彙の山を積み上げる」のフレーズとか。
「理想の欠片をさあ集めに行こう」に少しfanfareっぽさを感じる「決意表明」ソング。
「右行ったって 左行ったって 誰かしら不平をこぼすなら」という部分は
「右を見れど人はうつむき/左を見れども人は沈み」(ロードオブメジャー「偶然という名の必然」)
"We got freaks to the left / We got jerks to the right"(Queen 'Ride the Wild Wind')
といった辺りを思い起こさせます。周りに惑わされない意思表明の枕的な一節。
「いつか見た光を 星空に見つけるたびに」と、次に紹介する曲に繋がるような歌詞もあり。


3. 夕空の星(YouTubehttps://youtu.be/cbOfJF3hEcU)

「たった一つ 暗闇にうかぶ 目印のよう」な「遠くで輝く ぼくだけを待つ光」を探す歌。過去を懐かしんだりもしつつ先を見ていこうという、やはり「決意表明」ソング。
上のリンクのensemble day ver.が本当に格好良い。


4. バイバイ、メランコリー

白地図に書いたはずの目印も 雨風にインクが滲むんだ」のフレーズから勝手に「白地図」へのセルフアンサーソングだと思ってます。「あの光は決して笑わない」から「転けたって」「無謀だよ止めとこうか」って声がしたって「心の弱きモンスター」に「バイバイ」して前に進むんだという、やはりこれも「決意表明」ソング。

ここまでの4曲が個人的に「アンセムソング」と括っている曲たち。


5. テラス(YouTubehttps://youtu.be/MeQmPhbSykY)

「「今」は「明日」を減らし 「昨日」を増やしてく」「「別れ」と「再会」の隙間を 僕らは歩いてく」の表現力たるや。
自分たちには共有した思い出(=「景色」)があるのに、もうそんな日々は終わってしまう。でもいつか「同じ光を目印にして」「また逢えたら 話そう」という卒業ソング。
「そうやって続けていく それぞれの物語/いつかまた同じページの上で…」のフレーズで「Step and Go」(嵐)のRapパート思い出すのは何故だろう。。


6. petal(YouTubehttps://youtu.be/3BxUvR4WKxI)

恋の始まりから終わりまでを描く切ない失恋ソング。この曲でpetalという単語を覚えました。笑
「雪のように花びらは 消えていった」の寂寥感、喪失感、虚無感の表現には息を呑む。


7. 内緒話(YouTubehttps://youtu.be/KDY3DXGSjP0)

メロディがとても綺麗な曲。「胸のスカーフ」「心の南京錠」から窺える相手のガードの硬さ。
でも恋愛の話と見せかけて、「内なる自分との対話」にも取れる歌詞だと感じられるのは、ポルノグラフィティ「むかいあわせ」と重ね合わせちゃうからかな……
特に「ふいに見えてしまった/君が僕に見せたくなかったであろう傷跡/指先でなぞって やさしく撫でていいかなぁ」(内緒話)が「知らずに放って置かれた傷がいくつか残っていたよ/真っ赤に腫れあがるその傷をさすって元どおりにするよ」(むかいあわせ)とオーバーラップする。


8. コギト

"Cogito ergo sum"(「我思う、故に我あり」)から取られた曲名。初披露の時2番にそのくだりがあったんだけど、いつの間にかなくなってましたね。でも今の歌詞の方が好きです。
GReeeeN「遥か」、嵐「ギフト」、ロードオブメジャー「親愛なるあなたへ…」に勝るとも劣らない両親祖父母への感謝ソング。


9. 共犯者

久保田さんの曲の中では異色作。でもこういう「大人の恋愛」的な歌もありかな、と思う。コギトみたいな優しい曲もこれみたいなハードな曲も持ち味。


10. 不平コンプレイン

鬼のように踏まれていく韻が面白い一曲。「誰?彼?さあね…まあね」「今日日異常に妙に興味」などなど。
というか、そもそもタイトルも韻踏んでますね。笑



他にも「久保田版ALIVE」とも言うべき「capsule.」とか、韻の巧みさに唸った「君と幻」とか、「僕を拒む光」と光に対するネガティブ感情が珍しい「逆光」とか、まだ紹介したい曲はあるけどこの辺で。
来年2月には2枚目のミニアルバムもリリース予定だそうで、今から楽しみです。