pgrobertのブログ

好きな音楽や美術について。ときどき脱線。

クイーン「The Show Must Go On」を和訳。

今日11月24日はQueenのボーカル、フレディ・マーキュリーの命日。ということでフレディ生前最後のシングル"The Show Must Go On"を和訳しました。

映画「ボヘミアン・ラプソディ」でもエンドロールで使われたこの曲は、フレディの「白鳥の歌」と呼ぶにふさわしい壮絶な曲。
体力もほとんど残っていなかったというのに、それを気づかったブライアンに"I'll fucking do it."の一言を言うだけで見事に歌い上げてしまうフレディは本当にとてつもない人だったんだと思います。

PVは'Hot Space'以降のPV、ライブ時の映像をコラージュして作られています。後のドキュメンタリー映像もそうですけど、Queenの映像班って映像編集の才能の塊みたいなところがあります。
実際には違う歌詞を歌ってるのに"The Show Must Go On"の歌詞を歌っているように見せたり、歌詞や曲の雰囲気に合った映像を使ったリ。
個人的には"I Want It All"のPV冒頭、横並びになってみんなでコーラスしている場面を2番のサビに持ってきてるシーンと、'I can fly - my friends'で"I Want To Break Free"の飛ぶシーンを持ってきてるのと、その直後の爆発のシーンが好きです。爆発のシーンは元々映画「ハイランダー」のシーンなのに、"Princes Of The Universe"のPVに入ってたから使っているのがしてやられた感があります。


youtu.be

Empty spaces - what are we living for
Abandoned places - I guess we know the score
On and on, does anybody know what we are looking for

空っぽの空間―僕らは何のために生きているんだろう
見捨てられた場所―僕らには真相が分かってるだろう
引き続き、僕らが何を探してるのか知ってる奴はいるのか?

Another hero, another mindless crime
Behind the curtain, in the pantomime
Hold the line, does anybody want to take it anymore

ヒーローが現れたと思えば 心ない犯罪が起きる
声も出さず 秘密裏に*1
後には引くな、これ以上耐えられる奴はいるのか?

The show must go on
The show must go on
Inside my heart is breaking
My make up may be flaking
But my smile still stays on

やめるわけにはいかない
そのまま続けなくては
心の内側が壊れていく
仮面も剥がれ落ちていくかもしれない
でも笑顔は変わらずそこにある

Whatever happens, I'll leave it all to chance
Another heartache, another failed romance
On and on, does anybody know what we are living for

何が起ころうとも 全てを天に任せるよ
心を痛めたと思えば 恋に破れる
引き続き、僕が何のために生きているのか知っている奴はいるのか?

I guess I'm learning, I must be warmer now
I'll soon be turning round the corner now
Outside the dawn is breaking
But inside in the dark I'm aching to be free

学んできて 少しは正解に近付いてきている*2に違いない
もうすぐで峠も越える
外では夜明けが近い
でも暗闇の中で 僕は自由を求めもがいてる

The show must go on
The show must go on
Inside my heart is breaking
My make up may be flaking
But my smile still stays on

やめるわけにはいかない
そのまま続けなくては
心の内側が壊れていく
仮面も剥がれ落ちていくかもしれない
でも笑顔は変わらずそこにある

My soul is painted like the wings of butterflies
Fairytales of yesterday will grow but never die
I can fly - my friends

僕の魂は蝶の羽のように彩られ
昨日のおとぎ話は語り継がれ決して消えることはない
ごらん、僕は飛ぶことさえできるのさ

The show must go on
The show must go on
I'll face it with a grin
I'm never giving in
On with the show

I'll top the bill
I'll overkill
I have to find the will to carry on
On with the show
On with the show
The show must go on

ショーをやめるわけにはいかない
そのまま続けなくては
笑顔で立ち向かうよ
決して諦めたりしない
ショーとともにあるから

僕が主役だ
やりすぎなくらいやってやる
ショーを続けていく
その意志を見つけなくては
ショーとともにあるから
ショー・マスト・ゴー・オン……



最後に。
"The Show Must Go On"のUK版CDシングルは、通常盤とBOXセットがあります。
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BOXセットに同封されているポスターの裏には、それまでイギリスでリリースされたシングルが一覧になっています。"The Show Must Go On"リリース時点で、メンバーとしても「そういうこと」だったんだろうと推測できます。
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そしてアンオフィシャルながら好きなリミックス。
youtu.be

*1:そのまま「カーテンの裏側」でも通じるといえば通じますが、成句で「秘密裏に」という意味なのでそちらを採用。

*2:warmという単語は普通「暖かい」という意味ですが、「(正解に)近づいて」という意味もあります。直前が I guess I'm learning 「学んでいる」なので、「暖かい人間になろうとしている」みたいな意味よりは「正解に近づいている」の方が自然かなと思います。あえて深読みをすれば、「人生の答えがもうすぐ見つかる」みたいな話なのではないかと。