pgrobertのブログ

好きな音楽や美術について。ときどき脱線。

ジョナサン・ヤング「THE DAY」を和訳。

ジョナサン・ヤングという人がポルノグラフィティ「THE DAY」を英語詞カバーしている動画を先日たまたま見つけました。
これがまた結構原詞に忠実だったもので、訳してみました。


Boku No Hero Academia "The Day" (English) - FULL VERSION

My breath has stopped at 5 in the morning
A calm that spreads before the storming
Biting my nails at emergency exits
Tell me where is tomorrow?
The day has come!

午前5時、僕の呼吸は止まってる
嵐の前に広がる静けさ
非常口で爪を噛んでいる
教えてくれ、明日はどこだ?
THE DAY HAS COME!

静けさがしみ込むようで息を止めた午前5時
非常階段で爪を噛む 明日はどっちだ? THE DAY HAS COME

The night won't let us see the sun
The rain will last till the next millennium
I hate to say both are here to stay in this world we share

Still it's not odd in the slightest
You're walking half-asleep and you're tripping like this
I'm not one to criticize it, even if I care

太陽を見させてくれない夜
次のミレニアムまで続く雨
僕らが分かち合うこの世界に両方留まるなんて言いたくない

まだ少しも変じゃない
半分眠ったままで歩いて こんな風につまずいてる
気にしてたとしても 僕はそれを批判するような人間じゃない

けして明けない夜も 降り続けてやまない雨も
このろくでもない世界にはあるんだよ

少しも変ではないの まどろみに足を取られてる
あなたを責めているわけじゃないんだよ

Play alone in your fantasy
Ashamed to show the things that you're imagining,
What do you see?

君の空想の中で独り遊ぶ
想像してることを見せるのを恥ずかしがって
君は何を見てる?

独り空想に遊ぶ そこで思い描いたことまで恥じるのかい?

The maze is twisting, ever twisting
Do you plan to see what you're missing
The sound of a bell from a tiny adventurer
Signals a new beginning
Are you sure that you're not shaking?
Such uncertain roads you're taking
Every step that you take it is changing you
Where is tomorrow?
The day has come!

迷路がねじれにねじれてる
見失ったものを見ようとしてるのかい
ちっちゃな冒険者が鳴らす鐘の音
新しい始まりの合図
揺らいでないって言うのは確かなのか?
君が進んでいくそんな不確かな道
踏む全ての歩みが君を変えていく
明日はどこだ?
THE DAY HAS COME!

絡み合う迷宮 迷宮 それでも行くというの?
小さき旅人が奏でる 始まりの鐘の音
行く当ても DON'T KNOW DON'T KNOW 本当は怖いんじゃないの?
踏み出すその一歩一歩が変えていけるさ THE DAY HAS COME

Some of them will never really get it
Some of them will say they do but they're pretending
I hate to say both are here to stay in this world we share

The world has not been heaven-sent
The world is not in hell just yet
Existing in between, a silver lining there

全然理解しようとしない奴もいれば
やるつもりのふりをする奴もいる
僕らが分かち合うこの世界にどっちも留まるなんて言いたくない

世界は願ってもないところじゃないし
まだ地獄でもなく
その間に希望の光が存在するんだ

わかりあえないヤツも わかったようなふりしたヤツも
このろくでもない世界にはいるんだよ

ここは地獄じゃなくて まして天国のはずもなく
ちょうどそのミシン目のような場所なんだ

The cards will show what tomorrow brings
The wind will blow; the future it is carrying
What will it be?

明日がもたらすものをカードは見せる
風が吹くだろう、それは未来を運んでくる
どんなものになるだろう?

明日を占うカード 風がまき上げた意味なら知ってるだろ

The maze is twisting, ever twisting
Do you plan to see what you're missing
The sound of a bell from a tiny adventurer
Signals a new beginning
Are you sure that you're not shaking?
Such uncertain roads you're taking
Every step that you take it is changing you
Where is tomorrow?
The day has come!

迷路がねじれにねじれてる
見失ったものを見ようとしてるのかい
ちっちゃな冒険者が鳴らす鐘の音
新しい始まりの合図
揺らいでないって言うのは確かなのか?
君が進んでいくそんな不確かな道
踏む全ての歩みが君を変えていく
明日はどこだ?
THE DAY HAS COME!

絡み合う迷宮 迷宮 それでも行くというの?
小さき旅人が奏でる 始まりの鐘の音
行く当ても DON'T KNOW DON'T KNOW 本当は怖いんじゃないの?
踏み出すその一歩一歩が変えていけるさ THE DAY HAS COME

You know you want to keep on believing
What your open eyes have been seeing
As you cower long before the dawn
All your darkest nightmares have been coming true
So cry on, cry on

君の目がずっと見ているものを
信じ続けたいって分かってる
夜明けの前にずっと縮こまってると
悪夢が全部現実になってくる
だから CRY ON CRY ON

その目で見たモノだけ信じていたいけれど 影に怯えては
悪い予感が本当に化ける CRY ON CRY ON

Real survivors, strength undying
Stabbing backs and always lying
Those who survive till the end are the winners
Fairness is just an illusion
Secret hunter, creeping toward you
Worldly whispers, tries to warn you
Sharpening claws on emergency exits
Tell me where is tomorrow?
The day has come!

その強さは不滅の Real Survivor
背中を刺しいつも嘘をつく
最後まで生き残った奴が勝者で
「FAIR」は単なる幻想
君に向かって忍び寄る Secret Hunter
俗なことをひそひそ語り君に警告しようとする
非常口で爪を研いでいる
教えてくれ、明日はどこだ?
THE DAY HAS COME!

果てしない Real Survivor 足を引っ張りあう
生き残ったものが勝者で 「FAIR」などは幻想
忍び寄る Secret Hunter 語るのは 天下国家
非常階段で爪を研ぐ 明日はどっちだ? THE DAY HAS COME

クイーンのこと。

おととい11月24日はQueenのボーカル、フレディ・マーキュリーの命日。

自分が生まれた時には既にこの世の人ではありませんでした。

中学校に上がる時に「プライド」が放映されていて、ドラマは見ていませんでしたが何故か'Jewels'は家にあって文字通り飽きるくらい聴き込んだのが、クイーンとの出会い。

以来15年間、ずっと好きなアーティストであり続けています。


さて、そんなクイーンの曲の中から、個人的名曲15選をお送りします。



15. Drowse ("A Day at The Races"収録)

ロジャー作でボーカルも彼。邦題「さまよい」。
今まで彼が作ってきたハードロック然とした曲からは一転、全体的にユルいムードの漂う曲。
原題「まどろみ」の通り、色々な過去をおぼろげながら思い出してみた風な感じでしょうか。
後半で転調してややハードな感じにあるのもアクセントになってていいです。


14. Jealousy ("Jazz"収録)

フレディ作。
嫉妬心に取り入れられた男の悲恋の物語。
シタール風ギターが哀愁を掻き立てるのに大きな役割を果たしています。


13. Mother Love ("Made In Heaven"収録)

フレディ、ブライアン作。フレディの生前最後の録音と言われる曲。
'I long for peace before I die'のフレーズが胸に刺さります。
アウトロでは色々な音源がミックスされて最終的に"Goin' Back'が流れ、赤ん坊の泣き声で終わるのは「母胎回帰」?


12. One Year of Love ("A Kind of Magic"収録)

ジョン作。邦題「愛ある日々」。
元々は映画「ハイランダー」の挿入歌として作られたこの曲は、今までのクイーンからするとやや「異質」な印象を受けます。圧倒的なフレディのボーカル。ストリングスによるバックトラック。ギターソロの代わりのスティーブ・グレゴリー(Wham!の'Careless Whisper'でのプレイも印象的)によるサックスソロ。全てが綺麗に噛み合って、圧倒的な存在感を放っています。
ちなみにPVは、「ハイランダー」の映像やフレディのソロ曲のPV、「自由への旅立ち」や「狂気への序曲」といったクイーンの曲のPVなどを組み合わせて作られています。ちょくちょく歌詞に合わせた映像になっているのがニクイ(例えば"I'm a prisoner of love~"に合わせて'Calling All Girls'のPVの映像とか)。


11. '39 ("A Night at The Opera"収録)

ブライアン作でボーカルも彼。
相対性理論を元にしたと言われるSFチックな曲。さすが天文博士
ちなみにこの曲はクイーンにとって39個目の曲だそうな。


10. Don't Try So Hard ("Innudendo"収録)

クレジットはクイーンですが元はフレディ作。
ほぼ全編ファルセットで優しく諭すような歌い方。
何度この曲に励まされたか分かりません。


9. Pain Is So Close To Pleasure ("A Kind of Magic"収録)

フレディ、ジョン作。邦題「喜びへの道」。
これもまたほぼ全編ファルセットの曲。
某ムックでは「歌詞が凡庸」とディスられていましたが、'Where are the answers~'からのくだりには何度励まされたことか。


8. You Don't Fool Me ("Made In Heaven"収録)

クレジットはクイーン。ですが、様々な曲の断片をプロデューサーのデイビッド・リチャーズが繋ぎ合わせて作られたようです。
アルバム"Hot Space"の流れを汲むような、大胆なダンス曲。ロックバンドが作った曲とは思えません。笑


7. In The Lap of The Gods...Rivisited ("Sheer Heart Attack"収録)

フレディ作。邦題「神々の業」。
当時の劣悪な労働条件へのディスがあるとかないとか……
それはそれとして、コーラスの大合唱をサマソニでできたのはいい思い出です。


6. The Prophet's Song ("A Night at The Opera"収録)

ブライアン作。邦題「預言者の歌」。
ブライアンが見た夢が元になっているそうですが、ノアの方舟的な一大スペクタクル。
特に中盤の反響し合うアカペラパートの迫力といったら!


5. White Queen (As It Began) ("QueenⅡ"収録)

ブライアン作。
これもシタール風ギターが叶わない恋の切なさを掻き立てるのに大きな役割を果たしています。


4. Friends Will Be Friends ("A Kind of Magic"収録)

フレディ、ジョン作。邦題「心の絆」。
このアルバムの前には解散寸前だった彼らがライブ・エイドで団結力を取り戻し、放った曲のうちの一つが「友情の不変」を歌うこの曲っていうのはズルいよなあ。
ファンクラブの人たちの参加したPVはとてもハートウォーミングで観るたびに胸が熱くなります。


3. The March of The Black Queen ("QueenⅡ"収録)

フレディ作。
「プレ・ボヘミアンラプソディ」とでも言うべき曲。
曲調が二転三転して置いてかれないように必死になる曲。


2. Was It All Worth It ("The Miracle"収録)

クレジットはクイーンですが元はフレディ作。邦題「素晴らしきロックンロール・ライフ」。
「今までやってきたことは決してムダなんかじゃなかった」と究極の自己肯定を見せる辺りがいかにもクイーン(というかフレディ)。
ラストの
Was it all worth it, was it all worth it
Yes, it was a worthwhile experience, it was worth it
に至るための、全編が壮大な前フリ。


1. The Show Must Go On ("Innudendo"収録)

クレジットはクイーンですが、フレディ以外の3人が作り上げたそうです。
どうにもこうにも、フレディの「白鳥の歌」でしかないこの曲、「ボヘミアンラプソディ」のエンディングで使われたのもさもありなん、という感じですね。
おいそれとは平常心では聴けないですが、一方で圧倒的なパワーをもらえる曲でもあったりします。

久保田 有貴というミュージシャンのこと。

今、自分が個人的に追いかけているミュージシャンに「久保田 有貴」さんがいます。

実は大学の先輩なのですが、学生の時彼は「メイデレ」というバンドを組んでいました。
自分の通っていた専攻は不思議なところで、専攻内でライブイベントもやっちゃうようなところでした。
そんな専攻の、自分が大学1年の時の「秋フェス」で彼らを見たのが最初。セットリストにはミスチルが多く、歌そのものもそうですが「桜井さんっぽく歌う」のがとてつもなく上手い先輩だなあ、というのがその時の印象でした。

その次の「卒フェス」で「だけど」の初披露がありました。メイデレとしては初のオリジナル曲。まだ2番もなく荒削りな状態でしたが、C&Rは既に存在していてその時から盛り上がりが凄かったのを覚えています。ラストサビ前の「なのに」には驚きました。笑


彼らの大学卒業後は「MayDayRay」と改名し、何度かベーシストは変わったものの「フェス」に出続け、「ラフストーリー」「不平コンプレイン」「テラス」といった曲が誕生していきました。それがいつの間にかソロ活動をしていたので驚きました。

初めて見たのはアンコール渋谷でのライブ。それ以来コンスタントに伺うようにしています。去年は月一ペースで行けてたのに今年は4回くらいと全然行けていないのが心残り……


さて、ここからは個人的名曲選。ミスチルに影響を受けてるだけあって比喩や韻が巧みな歌詞が多い印象があります。歌詞解釈や「あの曲みたい」といった話はあくまで個人的印象ですのであしからず。


1. 白地図(YouTubehttps://youtu.be/yAr5zL7LujE)

初めて行ったソロライブでデモCDを無料配布していたのが未だに記憶に残っています。「決意表明」ソング。
「未だ見ぬランドマークを探しに行こう」……全ての指針になるような曲。


2. アイディライト(YouTubehttps://youtu.be/nPSIY8AEoAE)

初めて歌詞をブログで見た時、ガツンとやられた曲。「言い訳の語彙の山を積み上げる」のフレーズとか。
「理想の欠片をさあ集めに行こう」に少しfanfareっぽさを感じる「決意表明」ソング。
「右行ったって 左行ったって 誰かしら不平をこぼすなら」という部分は
「右を見れど人はうつむき/左を見れども人は沈み」(ロードオブメジャー「偶然という名の必然」)
"We got freaks to the left / We got jerks to the right"(Queen 'Ride the Wild Wind')
といった辺りを思い起こさせます。周りに惑わされない意思表明の枕的な一節。
「いつか見た光を 星空に見つけるたびに」と、次に紹介する曲に繋がるような歌詞もあり。


3. 夕空の星(YouTubehttps://youtu.be/cbOfJF3hEcU)

「たった一つ 暗闇にうかぶ 目印のよう」な「遠くで輝く ぼくだけを待つ光」を探す歌。過去を懐かしんだりもしつつ先を見ていこうという、やはり「決意表明」ソング。
上のリンクのensemble day ver.が本当に格好良い。


4. バイバイ、メランコリー

白地図に書いたはずの目印も 雨風にインクが滲むんだ」のフレーズから勝手に「白地図」へのセルフアンサーソングだと思ってます。「あの光は決して笑わない」から「転けたって」「無謀だよ止めとこうか」って声がしたって「心の弱きモンスター」に「バイバイ」して前に進むんだという、やはりこれも「決意表明」ソング。

ここまでの4曲が個人的に「アンセムソング」と括っている曲たち。


5. テラス(YouTubehttps://youtu.be/MeQmPhbSykY)

「「今」は「明日」を減らし 「昨日」を増やしてく」「「別れ」と「再会」の隙間を 僕らは歩いてく」の表現力たるや。
自分たちには共有した思い出(=「景色」)があるのに、もうそんな日々は終わってしまう。でもいつか「同じ光を目印にして」「また逢えたら 話そう」という卒業ソング。
「そうやって続けていく それぞれの物語/いつかまた同じページの上で…」のフレーズで「Step and Go」(嵐)のRapパート思い出すのは何故だろう。。


6. petal(YouTubehttps://youtu.be/3BxUvR4WKxI)

恋の始まりから終わりまでを描く切ない失恋ソング。この曲でpetalという単語を覚えました。笑
「雪のように花びらは 消えていった」の寂寥感、喪失感、虚無感の表現には息を呑む。


7. 内緒話(YouTubehttps://youtu.be/KDY3DXGSjP0)

メロディがとても綺麗な曲。「胸のスカーフ」「心の南京錠」から窺える相手のガードの硬さ。
でも恋愛の話と見せかけて、「内なる自分との対話」にも取れる歌詞だと感じられるのは、ポルノグラフィティ「むかいあわせ」と重ね合わせちゃうからかな……
特に「ふいに見えてしまった/君が僕に見せたくなかったであろう傷跡/指先でなぞって やさしく撫でていいかなぁ」(内緒話)が「知らずに放って置かれた傷がいくつか残っていたよ/真っ赤に腫れあがるその傷をさすって元どおりにするよ」(むかいあわせ)とオーバーラップする。


8. コギト

"Cogito ergo sum"(「我思う、故に我あり」)から取られた曲名。初披露の時2番にそのくだりがあったんだけど、いつの間にかなくなってましたね。でも今の歌詞の方が好きです。
GReeeeN「遥か」、嵐「ギフト」、ロードオブメジャー「親愛なるあなたへ…」に勝るとも劣らない両親祖父母への感謝ソング。


9. 共犯者

久保田さんの曲の中では異色作。でもこういう「大人の恋愛」的な歌もありかな、と思う。コギトみたいな優しい曲もこれみたいなハードな曲も持ち味。


10. 不平コンプレイン

鬼のように踏まれていく韻が面白い一曲。「誰?彼?さあね…まあね」「今日日異常に妙に興味」などなど。
というか、そもそもタイトルも韻踏んでますね。笑



他にも「久保田版ALIVE」とも言うべき「capsule.」とか、韻の巧みさに唸った「君と幻」とか、「僕を拒む光」と光に対するネガティブ感情が珍しい「逆光」とか、まだ紹介したい曲はあるけどこの辺で。
来年2月には2枚目のミニアルバムもリリース予定だそうで、今から楽しみです。

ロマポルが終わった今、思うこと。

ポルノグラフィティの成人を祝う祭典「NIPPONロマンスポルノ'19 神vs神」。ライブ自体の感想は既に公開しましたが、ここではライブが終わった今思うことを色々書いていきたいと思います。

↓ライブの感想
pgrobert.hatenablog.com


そもそも自分がポルノグラフィティを「知る」きっかけになったのは有線で聴いた「サウダージ」でした。当時まだ小学校低学年ながらすごく衝撃を受けたのを覚えています。
でも小学校の同級生で知ってる人は全然いなくて、寂しかった記憶があります。2000年が終わるとき、放送委員会が「2000年の曲といえば?」ってアンケートを取ったらほとんどみんな「TSUNAMI」って書くような感じだったし。
だからその年の紅白に出たのは本当に嬉しかった。
2002年には「Mugen」のおかげで我が小学校での知名度もだいぶ上がりました。(笑)

本格的に聞くようになったのは高校生になってから。BookOffで中古のCDを買って聴いてました。「foo?」を初めて聴いた時「空想科学少年」に受けた衝撃は未だに覚えてます。でもよく聴いてたのは「WORLDILLIA」。
初めて買った新譜は「Love too, Death too」。トランプ付きの初回限定盤を購入しました。
そしてどれだけ背中を押されてきたか分からないくらい背中を押されてきました。例えば浪人してたときがちょうど「∠TRIGGER」のリリース後。「MONSTER」に「まさに自分のことだ!」と「期待外れの自分に おさらば」しなきゃ!と勉強に励みました。笑
社会人になってからは研修が上手くいかないと「むかいあわせ」で優しく心を癒してもらいました。

音源はそうやって随分聴いてきましたが、ライブに行くようになったのはかなり遅く、大学3年生の時。大学の一つ下の後輩が取ったチケットで行ったLove・E・Mail・From・1999の横浜アリーナ公演2日目が初めての生ポルノグラフィティでした。
それ以降、

惑ワ不ノ森(横浜スタジアム公演2日目)
The dice are cast(大阪城ホール公演1日目)
THE WAY(横浜スタジアム公演2日目)
BUTTERFLY EFFECT(川崎公演)
UNFADED(静岡公演2日目、カウントダウン@大阪城ホール)

そして今回の神vs神の2日目と、毎年ライブには足を運んでいます。
ライブに行くたび、意外な選曲だったり演出効果だったり、毎回何かしら驚かされることがあります。だからたぶん、足を運び続けるんでしょう。
例えば、
LEMF→「瞬く星の下で」アコースティックアレンジ
惑ワ不→7曲メドレーにしれっと入ってた「Sheep」
ダイキャス→大胆なアレンジの「瞳の奥をのぞかせて
THE WAY→特別な歌詞の加わった「THE DAY」
BE→映像作っちゃった「君の愛読書がケルアックだった件」
UNFADED→「カメレオン・レンズ」の光の演出
もちろんそれぞれのライブで他に印象に残っていることはありますが、とりあえずこんな感じに印象に残ってますよ、というお話でした。



さて、そんなライブなのですが、先日の「神vs神」のセットリストに関して色んな意見があるようで。
確かにもっとマイナーなアルバム曲とかカップリング曲とか聴きたかった気持ちは自分もあります……が、「20周年のお祝い」ということを考えれば「グレイテスト・ヒッツ」的なセットリストになるのはむしろ当然のことなんではないかと思うのです。
もちろん、ツアーだけじゃなくってフェスや単発ライブ(しまなみロマンスポルノとか)に足を運んでる人からすれば、「この間もそれ聴いたから別の曲!」となる気持ちも分かります。でも、「いい曲」は何回聴いたって「いい曲」じゃないですか。「また聴けて嬉しい!」ってなりません?
そういう人たちは、それこそ「ハネウマライダー」も「Century Lovers (Before Century)」もほぼ毎回やってるけど、それはどうなんでしょう?

「神セトリ」というフレーズから、マイナー曲中心に「これぞポルノグラフィティ!」っていうのを見せつける、そんな「神vs神」を想像したくなるのは間違いない。自分がそうでしたから。「空想科学少年!うたかた!AGAIN!」……みたいな。笑
でも、あれだけシングルメインで構成されるセトリっていうのもあまりないし、そういった意味では間違いなく「神セトリ」だと思います。シングルメインでもあれだけ盛り上がりがすごいって意味で。


そんなわけでちょっと感じてたモヤモヤを言語化してみました。納得いかないという意思表示は大事だけどそれが「批判」ならぬ「否定」になるのはどうなんだろう?と、最後に自戒を込めて……

ポルノグラフィティのライブに行った。【9月8日東京ドーム公演】

〈以下、ネタバレ感想を含みます。〉


観に行きました「20th Anniversary Special LIVE “NIPPONロマンスポルノ'19〜神vs神〜”」の2日目公演。「神」の名に恥じない物凄く濃い3時間半。未だに興奮冷めやらぬ……という状態です。丸一日経ってるのに。(笑)

まずはセトリから。

1. プッシュプレイ
2. Mugen
3. THE DAY
4. ミュージック・アワー~マシンガントーク~ヴォイス~狼~ミュージック・アワー(メドレー)
5. アポロ
6. n.t.
7. Twilight,トワイライト
8. Theme of "74ers"
9. 瞳の奥をのぞかせて
10. ウェンディの薄い文字
11. リンク
12. サウダージ
13. ブレス
14. 愛が呼ぶほうへ
15. Zombies are standing out
16. サボテン
17. ヒトリノ夜
18. 瞬く星の下で
19. ハネウマライダー
20. アゲハ蝶
21. VS

アンコール
22. オー!リバル
23. Before Century~Century Lovers
24. ライラ


以下、印象に残っているところを振り返っていきます。MCでの言葉はこんなニュアンスだったなあという感じです。

1. プッシュプレイ
今回ライブをするならこの曲で始まるしかないだろう、という最高のスタート。昭仁と晴一は中央ステージにてパフォーマンス。

2. Mugen
メインステージに移動しながらコーラスを煽る昭仁。ドラムの「ズンズンチャ」はWe Will Rock Youっぽくもあり、煽る昭仁はさながら"Ay-oh"で煽る(ライブエイドの)フレディのようでもあり。元々ワールドカップのテーマ曲(@NHK)だったこともあり、改めて曲のアンセムっぷりを見せつけられました。

3. THE DAY
間奏の暴れるようなギターに呼応するような昭仁の高音シャウト連発。前も思いましたがどっからあんな声出てるの!?

ここで一度MC。スペシャルゲストとして招き入れられたのはなんと本間さん!
ポルノの初ライブがLove・E・Mail・From・1999の横浜アリーナ公演だった自分は演奏してる本間さんが見れられたことがかなり感涙ものでした……が、それを越える衝撃がこの後あるとは思いもよらず……

4. ミュージック・アワー~マシンガントーク~ヴォイス~狼~ミュージック・アワー(メドレー)
で、そんな本間さんと披露されたメドレー。狼とはまた……
狼の後で2番サビ最後の「ミュージック・アワー」からのギターソロでそのままミュージック・アワーでメドレーが終わるっていう演出も面白かった。

ここでMC。本間さんと20年前を振り返る回。
下北沢のライブハウスで見た時に「華があるなあ」と思った本間さんは慧眼だったのではなかろうか。
本間さんの「アポロ作ったときのことは凄くよく覚えてて、あれは2000年の……」に昭仁・晴一「1999年ですよ!今日20周年ってここにいるんですから!」って速攻突っ込んでたのはおかしかった。天然が出る本間さん。(笑)
「ポルノから離れたいって話をされたとき(昭仁:わがままを聞いていただきありがとうございました)、家に帰ったら何だか泣けてきちゃって」は意外だったなあ……
そして「20年やってても『ここまで上手くいった!』って曲は少ないけど、これは上手くハマった」と、デビュー曲を披露……のはずが、歌い出しを歌ったところで本間さんのピアノの音が入っておらず、仕切り直しに。(笑)

5. アポロ
それにしてもこの曲20年前って全く信じられない。

6. n.t. 7. Twilight,トワイライト
これまたコアな曲持ってきたなあ……と思わずにはいられない選曲。

8. Theme of "74ers"
Twilight, トワイライトから続くように晴一のギターで奏でられたTheme of "74ers"。バックのスクリーンにはかつての彼らの映像がモノクロ調で……

9. 瞳の奥をのぞかせて
例の「鳥のさえずり」から、もはや定番の昭仁の弾き語りコーナー。中央ステージに移動しての披露。
「さっきの本間さんとの話じゃないけど、NAOTOと『これはきたね』みたいに話しながら出来上がった曲」と言って演奏スタート。
で、一番サビの途中で悲鳴にも近い歓声が上がったからどうした?って思ってたら金髪のヴァオリン持った方が見えて納得。まさかNAOTOさんが出てくるなんて……もしかして演奏前の話はこの前フリだったのか!?
演奏始めた瞬間にこの日一番じゃないかってくらいの歓声が上がったのも当然かな、なんて。ポルノファンみんな、NAOTOさんを待ってた(はずです)から。

10. ウェンディの薄い文字
瞳の奥が終わって暗転したら再び「鳥のさえずり」が聞こえて、今度は晴一のソロコーナー。

11. リンク
ここから本編ラストまで、ほとんどの曲でNAOTO stringsが参加。なんて贅沢な……

12. サウダージ
「皆さんにも馴染みの深い2000年のあの曲をNAOTO stringsとの特別バージョンでやります」と始めようとしたものの晴一のギターチューニングが終わっておらず、MCを続ける昭仁。
その時「スペイン語で『情熱』という意味の……」と言ったもんだから晴一に指差されて笑われる羽目に。ある意味とばっちり。(苦笑)

13. ブレス
実はあんまり好きじゃないんですけど、それでも最後のコーラスの一体感は格別ですね。

14. 愛が呼ぶほうへ
ああ、ずるい、ずるすぎる……

15. Zombies are standing out
「2018年にこの曲をリリースして、僕らの新機軸になったと思います」というMCの言葉通り、EDMとロックの融合みたいな感じのこの曲、本当に格好良い……

16. サボテン
スクリーンに映る雨の映像が曲の雰囲気にも合っててかなり見入ってました。

17. ヒトリノ夜 18. 瞬く星の下で
この辺り、シングル曲ながらあまりライブで聴く機会もないからめちゃくちゃ嬉しかった。

19. ハネウマライダー
2番サビでもはやハンドル切らずにカメラに向かって正拳を突き続ける昭仁が面白かった。(笑)

20. アゲハ蝶
コーラスのラララを歌う観客の姿を後ろの中央スクリーンで見てる時の晴一の表情が本当に嬉しそうで嬉しそうで……

21. VS
やっぱりシメはこの曲だよね!
と思ってたら、最後に「あのロッカー まだ闘ってっかな?」とプッシュプレイをワンフレーズ。何かのインタビューでも言ってたけどやっぱりVSはプッシュプレイのアンサー的曲なんだなと改めて。中央ステージに二人が戻ってきたのも含めて、ライブの最初にループして戻ってきた感じの演出?
「そうか あの日の僕は今日を見ていたのかな」の「今日」って、東京ドームで二人が見ていた光景だったとしたらその一部に自分がなれたことが凄く嬉しい。
ところで昭仁が着てた「Beautiful Losers」ってTシャツ、"Come on loser"と引っかかってるのかな?

アンコール
22. オー!リバル
福山雅治のくだりは晴一お茶目すぎか。(笑)
バズーカが何発か放たれ、若干それに気を取られてしまいました。(苦笑)
うねりのような「オーレオーレオー」はすごかった……

23. Before Century~Century Lovers
Before Centuryのときに「昔の煽りもやってみよう」と「Everybody!みんなで!声出せ!」ってやったものの「ださいじゃろ?でも当時はこれで行けると思ったんよ……」ってうなだれる感じに。でもあの煽り、何でちょっと声高めだったの?(笑)

曲終了後はメンバー紹介。
「(みんなのエネルギーがすごくて)台風はここに向かってる」という須永さん。
「(UNFADEDに参加するまでは)人生の終活を考えてたけど、音楽続けてきてよかった」という皆川さん。
「テンション高過ぎず低過ぎず20年一緒にやってきましたが、30周年もぜひここで」というnang-chang。
「自分は(ドラムで)動けないから今までずっと後ろで見てきたけど、今日は・・・すごく感動した」と声を詰まらせる真助さん。
「一緒に仕事することは減ったけど、心はずっとポルノチームの一員です」というNAOTOさん。
「時には休んで、30年40年と続けていってください」という本間さん。
皆さんのコメントがすごく温かくて、なんかもう訳分からない感情になってたけど、

「自分の中では因島で文化祭やった時まで今までずっと地続きになってて、だから惰性でやったら『青春』を穢すことになるから、心から楽しめてるか心に問いかけながら続けていきたい」という晴一に
「自分はけっこう現実的で冷めてるところがあって、今日のライブもどんな感じになるんだろうってずっと自分の中で思い描いてきたけど、さっきの真助じゃないけど……今日はキた」という昭仁。

もうさ、この人たち何なの?本当にどれだけすごいの?
思えば歌いながら「今日は本当にみんな凄いね!」「みんなが誇らしいです!」「ここまで連れてきてくれてありがとう!」なんて言える昭仁のファンを物凄く大事にするところ、そういうところにも惹かれてファンなんだってことに思い至りました。

24. ライラ
NAOTO stringsのソロで運命は迫力がとんでもなかった。
晴一ソロのultra soulはもう定番ですね。(笑)
「歩き疲れたら 帰っておいで」そんな場所になってたあの空間は凄い。
中間部の語りで晴一が「僕たちは何か与えられたでしょうか?何か受け取ってもらえたでしょうか?幸せを届けられてるでしょうか?」。当然ですよ!

演奏終了後、サポートメンバーもはけたところでスクリーンには「祝20周年」の文字が。そして東京ドームのビールの売り子さんが登場し、はなむけが流れる中乾杯!
……が、一気飲みができず盛大に吐き出す昭仁と晴一。(笑)
ジョッキに少し中身が残った状態で二人ともステージ上に座り改めて乾杯。このシーンもグッときたなあ……で、晴一が残したビールは結局どうなったんだろう?(笑)



ちなみに今回のライブ、初めて父と行きました。
綺麗に揃う手拍子や腕の振り、ミュージック・アワーの変な踊りなどなどに「宗教みたいでちょっと怖い」と言われた(苦笑)ものの、「半分くらい知ってる曲だったから楽しかった」と言ってたので良かったかなあ。隣でちょくちょく揺れてノってるのも伝わってきたし。あと、ビッグエッグのくだりは「今の子たちは知らないよねー」と言いながら笑ってました。(笑)


とにもかくにも、ライブに行くたび、新曲を聞くたびに「ポルノグラフィティのファンでよかった」と思う私ですが、今回のライブでその思いは一層強くなりました。
これからもよろしくお願いします!

ポルノグラフィティ「海月」を語る。

今週のお題「わたしの好きな歌」にかこつけて、語りたい曲。



先日ポルノグラフィティ公式から、彼ら50枚目のシングル「VS」の発売(7月31日)が発表され、数日前にはYouTubeにPVも(メイキングとともに!)upされました。
49th「フラワー」48th「Zombies are standing out」は配信限定だったので、円盤としてのリリースは47th「ブレス」以来およそ1年ぶりになります。

さて、その「ブレス」のカップリング「海月」。
初めて聴いた時の衝撃は計り知れないものがありました。
今回はそんな「海月」を語る回です。


深海にいる海月を表しているかのような、やや浮遊感のあるピアノのイントロ。どことなくコールドプレイっぽい響き。*1
最近のポルノは「オー!リバル」のラテンとの融合を筆頭に、「ルーシーに微熱」(「THE DAY」カップリング)、「Part time love affair」(「LiAR/真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」カップリング)、極めつけとしてダブステップ/トラップ風味の「MICROWAVE」(「BUTTERFLY EFFECT」収録)など打ち込み多用のEDM風の曲が多くありますが、この曲もその系譜。
コールドプレイにも、アヴィーチーと組んだ「A Sky Full Of Stars」、ザ・チェインスモーカーズと組んだ「Something Just Like This」などEDM系譜の曲がありますから、そういう意味でもこの曲のコールドプレイとの親和性がうかがえます。あ、そういえば「A Sky Full Of Stars」はピアノイントロでしたね。

Bメロまでは静かな感じなのに、サビに入った途端にギターが一気に弾けるのは、深海に光が差したかのよう。サビ後半の「何一つ変わってない 何一つ歪んでない」と綺麗にハモるようなギターのフレーズというのも珍しい気がします。このギターの感じはシック(というよりはナイル・ロジャース?)っぽい。「おしゃれフリーク」とかあの辺。ツアー「UNFADED」で演奏された時はギターの音に身を委ねるだけですごく踊れました。
そしてサビのバックのギターがそのまま間奏で使われるのは「Montage」と同じパターン(でも「Montage」の場合、歌い出し後のイントロと同じフレーズなので微妙にズレちゃいますね……)。
そのサビ後の間奏でのコーラス。この感じもまたコールドプレイっぽい。「Adventure Of A Lifetime」「Paradise」の終わりの方のコーラスの雰囲気があります。
でも自分が知ってる中で1番近かったのは

youtu.be

アコギをかき鳴らして歌うカントリーの曲なので「海月」とは全然違いますが、これもまた名曲です。

そしてサビで使われたギターのフレーズがそのまま変奏されてギターソロのバックでも使われていますね。この部分もどことなく浮遊感があって好きです。
さらにサビのギターのフレーズはそのまま後奏でも使われています。


そんな訳ですごく踊れるこの曲ですが、暗い部屋で目を閉じて聴くと「音楽に身を任せるがまま」を味わうことができて、よくそうやって浸ります。笑
何にせよ、ポルノの広い音楽の幅を感じられる曲だと思います。

*1:ちなみにこのイントロは0:09頃からですが、曲が始まった瞬間からも微かに聴こえます。

嵐『Japonism』レビュー①

Mステ2時間SPでSakuraが披露されてましたね。

これまた数年前に「『Japonism』に見る嵐の『保守青年』ぶり」という論文(未完)を書いたことがあって、今回はそこから抜粋してきた記事です。まだ「自己肯定感」シリーズは終わってないですが、いいタイミングのような気もするので……
(文体はブログ向けに改めました)




まずは前提として、そもそも「保守」とは何か。
現代の日本においては、「保守」という言葉を聞くと、「エレベーターの保守点検」のような使い方よりも、いわゆる「保守派」をイメージすることの方が多いでしょう。戦後日本では「右翼」とほぼ同義で用いられ、時には「ナショナリスト」とされることもあります。
確かに「右翼」「左翼」という言葉の誕生を振り返れば、フランス革命において国王派=右翼、急進派=左翼とされたのが始まりなので、「右翼」=「保守」というのは間違いではありません *1。しかし戦後の日本では、社会党に対する自民党を指したり、朝日新聞に対する産経新聞を指したり、「右翼」(あるいは「右」)というと“日の丸・君が代天皇靖国”がイメージされたりする*2など「異質」な状態がありました。
ところが本来「保守」とは、「自分が属する社会、あるいは国家の歴史や伝統に対し、愛着と尊敬の念を持ち、それを積極的に維持しようとする」*3 ことを指します。このことから本記事では、「保守」を「『伝統』を大事にし、発展・継承しようとする態度」と定義することにします。

さて、嵐の所属するジャニーズといえば「少年倶楽部」や「カウントダウンコンサート」に見られるように、後輩グループが先輩グループの曲を歌う場面がよく見られます。それは「これまでのグループが作ってきた歴史を踏まえ、過去の遺産を伝承することが、何よりも重視されてい」る*4からで、まさに「伝統」を大事にする「保守」的態度といえるでしょう。
嵐について言うと、2002年に発表された「a Day in Our Life」では、少年隊の「ABC」がサンプリングされています*5。先輩の楽曲にリスペクトを払いつつ、自らの新たな楽曲へと昇華する……これもまた「保守」的態度と言えます。

ひと区切りつける前に、今回のテーマである「Japonism」についても確認しましょう。
そもそも「ジャポニズムジャポニスム)」といえば「19世紀後半から20世紀初頭の欧米において、日本の文化、なかでも美術工芸品を愛好し、作品や生活に取り入れていこうとした潮流」 を指します。
今回のアルバムに関していうと、デジタルと人間的なものの視覚化や、最先端のテクノロジーを盛り込んでライブを行った「THE DIGITALIAN」から離れ、日本ということに目を向けたり、ジャニーズでやってきたこと、〝原点回帰〟を意識してやってみたら逆に新しく見えるのでは、というところから始まったようです。
実際の楽曲でそれがどのように見られるか確認していきましょう。


To be continued...

*1:浅羽通明『右翼と左翼』幻冬舎新書、2006、pp.50-75などを参照

*2:実際自民党は「保守政党」とされていいます。他は浅羽前掲pp.22-27を参照

*3:佐藤健志『愛国のパラドクス―「右か左か」の時代は終わった』アスペクト、2015、p.95

*4:大谷能生速水健朗、矢野利裕『ジャニ研! ジャニーズ文化論』原書房、2012、P.7

*5:「a Day in Our Life」を作詞・作曲したSHUNとSHUYAはスケボーキングのメンバーで、この曲より以前(2001)、「ラブストーリーは突然に」(小田和正)をサンプリングした「TOKIO LV」という曲をスケボーキングとしてリリースしていました