pgrobertのブログ

好きな音楽や美術について。ときどき脱線。

嵐の曲に“「自己肯定感」「自分らしさ」とは何か”を見る④

ついに完結編。③から1年以上経ってしまいましたが、ようやく完成。一気に7曲登場。


↓③は以下のリンクから。
pgrobert.hatenablog.com


16. 同じ空の下で(作詞:Trevor Ingram、2015)

「あどけなかった あの頃の僕を 思わせるような蒼さに満ちて」いる「飛行機雲」を「見上げた その少年」を見て「大きな夢とたくさんの希望に 溢れてたあの日が蘇る」語り手。
そんな飛行機雲に重ね合わせて「譲れない思いがある限り」「僕らの願いは同じ未来へ」「繋がって」いくことを「果てしない旅路のその途中で」「時に振り返」るその様子には「過去から未来」の流れが見られます。
また「嫌になるほど 抱える今だけど」と「今ここ」の意識もありますし、「遥かな道を行く 僕らの物語を/彩どるすべてが 今は愛おしい」とありのままの自分を大切にする姿勢もあります。


17. Daylight(作詞:stereograph)

誰もが「明日はそう 違う自分と 歩いていくから」、「あの日の空誓った 揺るがぬ言葉」が「きっと明日へと続くから」、「消えそうな勇気を 今持ってる君」へ「届けこの想いよ」と語りかける語り手。
「方向示し続ける僕のノート」があって、「未来へ誓って 過去が未来を照らしている」から「道がいまは開いてる」と「"believe in myself"」と言います。
やはり「過去から未来」の流れがあり、「今ここ」の意識もありつつ、ありのままの自分を信じようとする姿勢もあります。


18. Treasure of life(作詞:Tutti、2017)

「色あせた アルバムに綴ったメッセージ」「不安もない 希望に満ちた明日を夢見てた」というところから、語り手は過去と未来を意識していることがわかります。
もっといえば、「過去の君と現在の僕に吹く 風向きが少し違っていても」「手探りでいい」から「未来への扉叩こう」という語り手の様子からも、「今ここ」の意識を持ちながら、「過去から未来」へと向かう時の流れが見えていることがうかがえます。
また「目指すべき場所の地図はない」から「Reason for my life」を「選ぶのは そう自分次第」だと、自分の確固たる生き方を自分自身で掴もうとする語り手の姿も描かれています。


19. Reach for the sky ~天までとどけ~(作詞:RUCCA、2017)

「未完成だった計画 あの日の誓いが色付き」「1千1回目の挑戦が 実りを迎える未来へ」向かう様子から、この語り手も「過去から未来」の流れを意識していることが分かります。
それは「遠い星座 無邪気な夢 互い語った日々が/遥か時代を駆ける 次の空へ伝う」というところからもうかがえます。
そして「今日が導いてく Search for goals」、「独りきりでは 今日のキセキを迎えられなかったよ」と「今ここ」の意識も当然のようにあります。
一方、「敵はいつでも 1秒先のMyself」と、自分自身と向き合う語り手の姿も描かれています。


20. Find The Answer(作詞:HIKARI、2018)

「過去は変えられない」と「嘆く」「君」と「いま語り合う 未来がそれを 彩ってく」と、語り手は過去に縛られることなく未来を見据えようとする姿勢があります。やはり「今ここ」の意識と、「過去から未来」の流れです。
また、ここでも「見上げた空に一筋の雲」が「あの日と同じ舗道の上」にあって、「時が流れても変わらない感情に そう気づいたよ」と「同じ空の下で」のように雲と自らの気持ちを重ね合わせています。


21. 白が舞う(作詞:Funk Uchino、2018)

語り手が「キミ」へ語りかけていくこの曲では、「記憶の先へと いま飛び立て 探し続けてた明日へ」というところから、やはり「今ここ」の意識と「過去から未来」の流れが見えます。
そして、「涙で滲んだThose days」もあるけれど、「新しい景色 写すフィルム」もあるし、「胸のアルバムに刻んだ決意は いつだって未来を指し示す」から「あの日のWishes」を「険しくともただ栄光求めて 叶えて」と背中を押す語り手が描かれます。
「どれだけ 傷ついたとしても "誇れる自分"を知りたくて」進んでいったんだと、自分を探し求める姿も描かれています。


22. Sky Again(作詞:Goro.T、2018)

「鮮やかな一筋の飛行機雲に 願い込めた Youthful days」があり、「今は新たな風に吹かれ」ながら「My new life」を歩いている語り手は、「We’ll find a brand new way」だといいます。
ここでもやはり「過去から未来」の流れと「今ここ」の意識があり、「一筋の飛行機雲」のくだりも再登場です。
さらに、「Wherever I go Whatever I do」(どこに行こうか、何をしようか)を「可能性を記すノート」の「真っ白なページに綴る日々」を思い出しながら「どんな困難も恐れることなく/路なき未知で待つ 目的地はこの手で拓く」と想いを新たにする語り手の姿も描かれています。
そして「好奇心で描く地図」の「無数のルートを辿る旅」は「Far away」だけど「Can’t wait」だと、未来を恐れない姿勢もあります。


ここまで「“自分らしさ”の探求」という観点から、嵐の楽曲に描かれているものをたどっていきました。
初めは「自分らしさ」を全く描くことができていなかった語り手。それが次第に“「今ここ」の自分”を意識しはじめて、過去・未来との対応で「ありのままの自分」をとらえながら、過去には縛られずに未来へ向かっていくという姿勢の変化が見られました。
そこを越えて途中見失うこともありつつも、「ありのままの自分」を追求しようとする姿勢も見られました。
どのインタビューだったか、松潤が「人の一生なんていつどこで終わるかわからない。そう考えれば、「今」を大切にしていつも自分の思う通りにやるのが正解かなぁ、と」と言っていました。これは楽曲の語り手の姿勢と一致しています。
そんなメンバーの姿がそのまま投影されているのが、これらの楽曲とも言えます。